恐ろしいほどスムーズにドイツの家電量販店SATURNに到着してしまった無鉄砲姉妹。
しかし問題はここからだ。
ドイツ語はおろか、英語すらままならぬ我々2人。
だが、たとえ日本語であろうとも、こういった手続きは苦手だ。
そもそも、プリペイドSIMというものがよくわからない。
プリペイドカードがその名の通り「前もって支払う」カードなんだから、きっとこれもそういうものだろう。
ということは、どこかでチャージして、電話やメール、ネットのたびに残高が減っていくんだろうか…?
実はよくわかっていない無鉄砲姉妹。
しかし日本にいるあいだにネットで下調べした情報によると、どこかの会社と正式な契約を結ぶよりも、こっちのほうがはるかに手軽で安くつくとのこと。
安いというのはもちろん、手続きが簡単、というのが私たちには大きなポイントだ。
というわけで、いよいよ私たちは売り場に乗り込んだ。
・・・
おお。。。
いや、これ、全部ユーロだよなあ。(当たり前だ)
ユーロだと、値段の感覚がまだよくわからないねえ。
まあ1ユーロだいたい120〜130円くらいだから、円でイメージするなら100倍した値段よりさらに高いっていうくらいかぁ。
とすると、日本とそれほど変わらないのかな。
Apple製品は日本より高いね。あ、逆に格安スマホはやたら安いのもあるな。
あっ、確かに。しかしプラスチックケースにいれて平積みっていうのはなんか面白いね。
・・・そんなことを2人で話しているうちに、プリペイドSIMっぽいものを発見。
しかし・・・
やたら種類があるじゃないか!!
どうしたものか。
いや、もちろん、やるべきことはひとつだ。
店員さんに聞く。
しかし。。。
躊躇する2人。
そして作戦会議。
そうだな、まず、暇そうな店員さんを探そう。
で、ひとまず「ハロー」と・・・。
そのあとは「プリペイドSIM」と「iPhone6」という最重要キーワード連呼して
あとはジェスチャーでなんとか・・・
・・・
いいね!それだ!それでいこう!!
作戦会議終了。
なんて無駄な会議。にもかかわらず、なぜか急に自信が出てきた2人!(←要は勢いだ!)
暇そうな店員さんを探し始めた。
が、しかし!!!
店員さんっぽい人たち、やたら他の客に捕まってないか?
そうなのだ、捕まってるを通り越して、店員さんの前に数名の列が・・・。
ええー。。。
ドイツの電器屋の店員、どんだけ人気なんだ。。。
仕方なく、待ち人が少なそうな人のそばで待ってみる。
2人くらい待って、ようやく自分たちの番になった。
そして私たちはひとまず
「ハ…ハロー」
そして固まる。
「英語は話せますか?」
「ちょっとだけ…」
「OK。どうしました?」
もうちょっと迷惑そうな顔をされるかと思ったが、わりとこういう厄介な客にも慣れている模様。さすが、観光大国。
「えっと、プリペイドSIMがほしいです。iPhone6をもってます。」
言った!キーワード言った!
もう、やりきった感。
「んー、じゃああっちの店員だね」
「えっ・・・」
「あ、呼ぶからここで待って」
「あっ、はい」
やってきた、大きい、少し怖そうな人。
そして呼んでくれた人は次の人の対応へ。。。
「で、どうしました?」
おおう・・・もう一回か。。。
「プリペイドSIMがほしいです。iPhone6をもってます。あ、英語もドイツ語もあまり話せません・・・」
「わかりました。これですね」
店員さんの察する能力というのはすばらしい。
そして渡されたのは、薄い紙製のパック。
「おいくらですか?」
「基本的には4週間ごとに10€です」
ほう。しかしそれは基本使用料か?それとも、電話料金なのかな?
質問してみるべきか悩んだものの、まあこれだと言うならいいかなと。
(↑英語で質問する自信がなかっただけ)
そしてカウンターへ移動。
「1つでいいんですよね」
「はい」
「でも、いまキャンペーンをやってるので、無料でもう1つ付けときますね。お2人ですし、必要が出てきたら使ってください。でも、使っても使わなくてもいいですよ」
「ほほう」
「身分証はありますか。」
パスポートを渡す。
パスポートを確認し、なにかを登録する店員さん。
そのあと、住所を聞かれたので、明日から3ヶ月借りている部屋の住所を伝えました。
「OK。じゃあ、あとちょっとアクティベーションの処理をするからまっててください」
携帯を渡して、少し待つ私たち。
・・・
そしてちゃんと電話がかかるかを確認してくださった上で・・・
「はい、OKです。これでもう使えますよ。(パックに入っていたカードの数字のところを指差して)電話番号はこれです」
ほうほう。
「今日から4週間はこのまま使えますが、それ以降はチャージをしてくださいね。お支払いは10€です。」
「おおー!ありがとうございます!」
・・・
なんだ。。。
ただのいい人じゃないか。
見た目ちょっと怖そうだったのに!
そして店を出て、試しにネットにも繋いでみた。
・・・普通に繋がる・・・!
わぁーお!
驚くほどスムーズだった。
もっと、いろいろ大変だろうと思ってたのに。
こうして、私たちは無事、1つ目の課題をクリアした。
ありがとう、仕事のできるSATURNの店員さん!
・・・
ちなみに、このとき私たちが購入したプリペイドSIMはO2という会社のもの。
このあと、私たちが帰国するまで、十分すぎるほどの役割を果たしてくれた。
それにしても、安い。
4週間で10€。そこには通話料(200 Unitsという制限付きだが、私たちは20とかすら使わなかった)も、1GB分の通信料も含まれている。
ドイツの町はFree Wi-Fiだらけだし、1GBを使い切ってしまったのは1年間でたった1度だった。
なんだ、十分事足りるじゃないか・・・。
このドイツでの経験から、私たちは日本へ帰国後すぐに格安SIM(LINEモバイル)に乗り換えたのだった。
※ところで、これは2017年6月のお話です。現在はすこし勝手が変わっているかもしれないので、無鉄砲姉妹のときはこんなかんじだったんだーと、参考程度にお読みいただけると幸いです。