いざや、ニュルンベルク 旧市街地 へ!ざっと見!前編 はこちら。
ニュルンベルク中央広場を美しの泉のほうに抜けると、コスモは息を呑んだ。
右手に、見覚えのある建物がどーんと建っている。
ニュルンベルク旧市庁舎だ。
ニュルンベルク旧市庁舎 (Altes Rathaus)
ニュルンベルク観光に来た人も、ほとんどの人はそんなに意識して写真を撮らないのではないか、と思われるこの建物。
これは、ニュルンベルク市の旧市庁舎なのだ。
そして、コスモにとっては極めて重要な場所だ。
なぜなら、コスモが院生時代に研究していたのが「ニュルンベルク市参事会」(ニュルンベルクの市政を司る組織)であり、市政の象徴といえるこの市庁舎を特別視せずにはいられないからである。
そうでなくとも市壁、中央広場とこの市庁舎というのは、中世の都市、とりわけ帝国自由都市の象徴といえる3大要素だ。興奮せずにはおれまい!
横に長いので当時使っていたiPhone6 plusで全体が撮れていないが(今使っているiPhone11なら撮れただろうに…)、威厳というか、重厚荘重な建物という印象だ。
「旧市庁舎」という名の通り、今や政治的機能は全くないわけだが、かつて栄華を誇った中世ニュルンベルクの市政の象徴化と思うと、震えが来る。
と、コスモが感慨に浸っているなか、テンの心を強く揺さぶる一言が!
「そこでニュルンベルクの有名なソーセージが売っているよ」
ニュルンベルク旧市庁舎の正面、そこには、すでに実によい香りが既に漂っていた。
ニュルンベルガーヴルストの名店 “Bratwursthäusle”
実を言うと、テンはずいぶん前から旧市庁舎よりもこっちに関心が向いていた。
だって、めちゃくちゃいい匂いなのだ!
ぜったいここには美味しいものがある。。。
テンの本能がそれをはっきりと感じ取っていた。
家主さんが「食べてみるかい?」というので、もちろん即答で「YES!」
そして家主さんのあとをついていくと、店に入ってすぐにカウンターが。
そこで支払いを済ませると、なにやら番号のついた紙を渡された。
え?これをどうすればいいの・・・
戸惑う無鉄砲姉妹。
家主さんは慣れた様子で置くにはいっていく。
そして超絶忙しそうにしている店員さんにさっと渡す。
私たちも真似する。
そして・・・
「はい」
あっさりGET。
そばにはマスタードとケチャップがセルフで置いてあった。
こうして手に入れた、ニュルンベルガーブラートヴルスト(Nürnberger Bratwurst) 。
ちなみに、このようにソーセージを3本、小さなパン(Brötchen)に挟んで提供するのがお決まりで、それを「3 im Weckla」と呼ぶらしい。
ニュルンベルクに住むなら絶対食べるぞ!とは思っていたが、まさか初日に食べられるとは!
というのも、無鉄砲なくせに以外とビビリな我々2人。。。
家主さんがこうやって買い方の手本を見せてくれてなかったら、アイスもブルストも自分たちではなかなか買いにいけなかったんじゃないかなと思うのだ・・・
家主さん、ありがとう!
そして問題のお味はというと―――
・・・
最高じゃないかーーーーー!!!!!
めちゃくちゃ美味い。
なんかもう、これは今まで食べてきたただのソーセージではない。
肉だ。美味い肉、実によくできた肉料理だ。。。
あとこの芳しい香り。
なかのハーブの香りと特別な焼き方から来るのだろう。
もう、ずっと食べていたい・・・!
しかも、(見づらいが)写真の通り、2017年当時で2.5€。たしかのちに少し値上がりしたので今はもう少しするだろうが、しかし約300円でこの味!!
お得すぎやしないか。
そんなわけでその後、節約生活だー!といいながらも何かと理由をつけてこのお店に通うことになる無鉄砲しまいだった。
3 im Weckla を食べながら、私たちはさらに進んだ。
そしてこれまた、その巨大な姿にとうの昔に気づいていた建物に近づいていった。
ゼーバルト教会(St. Sebald)
美しい。ローレンツ教会に続いて、これまた素晴らしいじゃないか。。。
荘厳ななかにある繊細さ。
やはり、ゴシック建築が一番好きだ。。。
この日はもう時間も遅かったので遅いので教会の中には入れなかったが、外からみるだけでもその美しさに感嘆した。
ローレンツ教会、フラウエン教会と来てこのゼーバルト教会。
徒歩15分圏内くらいにどれだけ詰め込むんだ!!!
ヨーロッパの中世都市は、「城壁で囲まれた都市の宝石箱や~!」
・・・
・・・
・・・
ごほん。
感動覚めやらぬまま、ゼーバルト教会横の小さな広場を抜けると、そこには我らが敬愛する「あの方」が堂々と立っていた。
アルブレヒト ・ デューラー記念碑( Albrecht-Düerer Denkmal )
おお・・・!!
ここに居られましたか!!!!(←誰)
謎のテンションで走っていく2人。
そうだ。ニュルンベルクなのだから、我らがデューラーの銅像があるのは当たり前。
しかし不意打ちだったし!
こんなところに急にあると思わなくって・・・!
銅像でこんなにテンション上がったのは初めてではないだろうか。
思わず3人(?)で記念撮影。
いやぁー、ただの銅像だけど、デューラーというだけで嬉しい。
これがいわゆるファン心理か。
と、いうことは・・・
そう!もうすぐ、待ちに待ったデューラー・ハウスだ!
アルブレヒト・デューラーの家(Albrecht-Dürer-House)
いやぁー、ついに来てしまいました。
すぐにわかりましたよ。
なんてったって、この家の写真をiPhoneの待ち受けにして、ここに来る日を今か今かと待っておりましたから!!
そうです、ここがニュルンベルク、いや、ドイツを代表する大画家、アルブレヒト・デューラーの家です!!!!
もちろん、中はデューラーのミュージアムになっております!
デューラーの死後、家の持ち主は何度も替わったらしく、内装や調度品等は基本的に復元&想像らしいけれど、建物自体はWWⅡの戦火さえも奇跡的に免れ、500年前の当時のままとのこと!!
おお・・・!まさにこの場所でデューラーは暮らしていたんだなあ。
ニュルンベルク旧市街地に入ってからずっと意識していたけれど、やはり家を目にすると、まさにここで生きたのだという実感が感じられて興奮する。
街の様子も今とは全然違うだろうけれど、それでも500年間変わらぬものがあるだろう。
それを感じたい、いや、なんとなく感じられるような気がして、とても幸せな2人だった。
勝手にクライマックス感を感じていた2人をよそに、家主さんは言った。
「いよいよ、カイザーブルクだよ!」
そう、ニュルンベルクのシンボルがまだ残っていた。
《後編へ続きます!》