ニュルンベルクの聖ゼーバルト教会を見学!②

聖ゼーバルト教会内部

今回は、前回に引き続き、聖ゼーバルト教会の内部を見学だ!

見渡してみると……

見渡すと、色鮮やかなステンドグラスが日の光に輝いて、本当に幻想的な空間が広がっている。適度に緑があるのも、またいい。

そういえば、ゴシック建築の列柱は森林の木々をイメージしていると聞いたことがある。森の中に入って、神に祈りを捧げるようなイメージなのだろうか。石造りの教会の中に緑があることで、一層その神秘的な印象が強くなる気がする。

教会後方には洗礼台!

前方に進んでから後方を振り返ると、こちらもまた荘厳だ。柱に並ぶ彫像たちが、非常にいい雰囲気を出している。

そしてそのさらに奥に目をやると──

聖カタリナ祭壇(Katharinenaltar)

聖カタリナ祭壇(Katharinenaltar)と洗礼台が。

この日ではないが、実際にここで洗礼を行っている場面に遭遇したことがある。

洗礼

実際に洗礼を受ける場面に遭遇したのは初めてだったが、可愛い赤ちゃんが洗礼台の前でにこにこしているのがめちゃくちゃ可愛かった……

ペーター・フィッシャーの代表作「聖セバルドゥスの墓」

そしていよいよ内陣へ。すぐに目に飛び込んでくるのが、この謎の大きな物体。

そう、これこそが、「聖セバルドゥスの墓」だ!!

「聖セバルドゥスの墓」

15世紀に造られたブロンズ製の聖櫃のなかに、聖セバルドゥスの遺骨(とされているもの)が入った聖遺物の箱が置かれている。

「聖セバルドゥスの墓」

この教会の中で圧倒的な存在感を放っているこの「聖セバルドゥスの墓」。

作者は有名なペーター・フィッシャー。ちなみにこのフィッシャー家というのは、ニュルンベルクの彫刻家一族で、15世紀後半から16世紀前半にかけて活躍し、その有力メンバーは三世代にわたるらしい。

そんな彫刻家一族を代表するのがこのペーター・フィッシャー(Peter Vischer)で、そんな彼の代表作がこの「聖セバルドゥス教会の聖遺物入れ」なのだ!

そんなすごいこのお墓、デザインもやたらかっこいいが、よく見るとっても可愛いものが。

そう、足元にご注目いただくと……

「聖セバルドゥスの墓」のカタツムリ🐌

「えっ、カタツムリ!?」

と、二度見すること間違いなしな、リアルなかわいいカタツムリがお墓を一生懸命背負ってます。

カタツムリは冬眠し、春に再び目覚めるので、「再生」という意味を持つらしい。

そして彼らの向きは右向き。反時計回りということで、時を戻すということから、「永遠」という意味もあるとか。

可愛いだけじゃない、おしゃれなカタツムリです。

「ベーハイムの窓」はクリスマス感満載!

「聖セバルドゥスの墓」を見終わると、ふとすぐそばにある特別美しいステンドグラスに目が行くはずだ。

それこそ、ベーハイムの窓(Behaim-Fenster)と呼ばれるこのステンドグラスだ。

ベーハイムの窓(Behaim-Fenster)

「えっ、なんかすごくクリスマスっぽい……綺麗……」

──という第一印象を無鉄砲姉妹に与え、ふたりのお気に入りになったこのステンドグラス。そのため、やたら写真をいっぱい撮っていた。

あまりに綺麗だったので今回この記事を書くタイミングで調べてみたら、ニュルンベルクにあるステンドグラスのなかでも傑出したものとして知られている名品だったことが判明!

「やっぱりいいものはいい!」という謎の確信を得た。

ちなみにこれは、いわゆる「受胎告知」の場面と、「キリスト降誕」の場面のようなので、「クリスマスっぽい🎄」という印象は全然間違いじゃなかったようだ。

不完全な「聖ペテロ祭壇」と食器棚!?

そして内陣一番奥には、磔のキリスト像と「聖ペテロの祭壇(Petersaltar)」がある。

磔のキリスト像と「聖ペテロの祭壇」

この「聖ペテロの祭壇」は1477年に作られたものだが、完成当時には中央にいる聖ペテロの頭上の天使2人が教皇冠を持って、初代教皇でもある聖ペテロに被せようとしていたらしい。

Petersaltar「聖ペテロの祭壇」

だが、この写真を見てもわかるように、天使は手に何も持っていない。実はこれ、16世紀の宗教改革の際に、ニュルンベルクが1525年に宗教改革を導入したあと、カトリックの象徴ともいえる「教皇冠」を取り除いてしまったそうだ。

そのため、この「聖ペテロの祭壇」は不完全な状態のままになっている。

「宗教改革」の歴史がこんなところにも影響していると思うと、歴史を愛するこの身としてはそれだけで震える……!!

そしてその祭壇の左隣には謎の金庫のようなものが。

聖餐式用の食器棚(Sakramentsschrank)

実はこれ、「Sakramentsschrank」と呼ばれるもので、かつては聖餐式で使うパンとワインを保管するために使用されていた食器棚らしい。

財宝でも入ってそうなかっこいい食器棚だな……。

左が「冠のマリア像(Strahlenkranzmadonna)」

そして最後に「冠のマリア像(Strahlenkranzmadonn)」。1438年に作られたこの作品は、後光が差す聖母マリアの雰囲気がすごくいい。

梨の木を彫って作った彫像で、金をふんだんに塗っており、名の知られていない彫刻家の作だが、聖母マリアの表情も慈愛に満ちているとても美しい作品なので、是非こちらにも注目していただきたい。

以上のように、見どころ満載の聖ゼーバルト教会!ニュルンベルクに訪れたら必見です!(タイミングがあえば是非オルガンの演奏も聞いてみてくださいね♪)