ドイツ で 住民登録 (Anmeldung) ① 助けて、心優しきおばあさま!

EinwohneramtのあるÄußere Laufer Gasse周辺。

(無鉄砲日記は、無鉄砲姉妹がドイツに滞在した2017~2018年の体験記です。新型コロナの影響で手続き方法など大きく変わっている可能性があります。本記事は体験記としてお楽しみいただき、ここに掲載している情報は参考程度にお読みください。)

ドイツ で 住民登録 … そんなの、どうしたらいいのさ!?

日本でだって税金やお役所関係にはめっぽう疎いのに、それをドイツでやれだなんて。。。

と、弱音ばかり吐いてもどうしようもない。

3か月を超えてドイツに滞在する場合、原則として滞在から7日以内に住民登録をする必要があるのだ。

住民登録を済ませなければ、3か月で帰国させられてしまう!

つまり、1年間滞在を許可してもらえるこの貴重なワーホリビザを無駄にしないためには、自分たちでやるしかないんだ!!

重い腰を上げ、ようやく準備に取り掛かる無鉄砲姉妹。

そして、ニュルンベルク市のサイトを訪問し、
住民登録に関するページを確認。

ふむふむ。

・・・

わからん。

こういうときは「Google翻訳」の出番だー!

ってことで、Chromeの拡張機能を利用してページごと日本語に翻訳!これぞ文明の利器ですな!(←すぐ翻訳ソフトに頼る悪い癖)

そしてわかったことが3つ。

・登録にはパスポートが必要だということ(そりゃそうだ)

・書類を持って「住民登録課(Einwohneramt)」へ行く必要があること

・市役所に直接行く前に上のサイトから予め送信しておくべき情報があるということ

ってことで、書類の準備を始めた。

提出用書類データはページ丸ごと翻訳ができなかったので、地味にiPhoneのドイツ語辞書で単語を調べつつ読み進め・・・

うむ!簡単なところは埋まった!

しかし・・・単語を調べても意味不明なとこがちらほら。

ううむ。

と、そんなとき、ノックの音が。(星新一風に)

現れたのはとてもお上品なご婦人。

あれ、そういえば私たちはこの女性を知っている。

そうだ、家主さんは私たちが日本にいるときに家族写真や家族情報をメールで送ってくれていたので、それで見覚えがあったのだ。

詳しくは第21回無鉄砲日記を参照。

だとすると、彼女は家主さんのお母さまに違いない!

私たちは突然の登場に驚いたものの、拙いドイツ語と英語でご挨拶。

彼女は優しく微笑みながら私たちの拙い挨拶を理解し、それからわかりやすい英語で自己紹介をしてくださった。

予想通り、彼女は家主さんのお母さまだった!

こうして出会った、素敵なおばあさま。

家主さんは家族の情報として彼女についてもメールで教えてくれていたが、ボランティア活動や慈善活動を積極的に行っている、ホスピタリティの塊のような人らしい。

そして私たちが持ってきていた紙類やノートパソコンを2台広げている机を見て、

「何か困っているんじゃない?」

おお!これぞ、天の助け!!

「そうなんです(泣)!3か月以上の滞在には住民登録が必要で、どうしたらいいか困っていて・・・」

「あなたの息子さん(つまり家主さん)には、この家の住所で住民登録していいと言われているんですが」

「ちなみに書類はここまでできています」

すると彼女、

「そうなのね!では少し見てみましょうね」

と、すぐに先ほどのサイトに目を通し、

「(書類をチェックしながら)ここまではよく書けているわよ!あと、これはここね。ここは、こう書いておけば問題ないと思うわ。ここは・・・わからないから息子に聞いてみるわね。」

と、すぐに家主さんに電話をかけてくれるおばあさま。

そして、必要な情報を家主さんから聞き出すと、書類はあっというまに完成。

「事前のデータ送信」とやらも、私たちは横から覗いていたものの、よくわからないうちに終わった。。。(←なんて参考にならない情報だろうか)

そしておばあさま。

「このPDFファイルを印刷して、ここに家主のサインが必要だから、息子に印刷を頼んでおいたわ。仕事から帰るときに印刷して持って帰るといってるからもう大丈夫よ」

なんと!そこまでやってくださるなんて!

めちゃくちゃありがたいとともに、なんだかとっても申し訳ない気持ちになる無鉄砲姉妹。

しかしそれだけで終わらない、彼女のホスピタリティ精神。部屋を見回して、

「あら、この部屋、ランプがベッドの片側にしかないわね」

へ?

「これでは、あなたたちの片方しかベッドでランプを使えないでしょう」

まあ、そう言われれば・・・

「ちょっとまっててね」

部屋を出ていくおばあさま。

ぼーっと突っ立ったままの無鉄砲姉妹。

「あった、あった!これでいいわね!」

その手には、どこかの部屋から持ってきたらしいベッドサイドのランプが2つ。

それをささっとベッド横に設置し、きちんとランプが点灯するか確認。

「これでいいわ!こっちのほうがさっきより大きくて明るいし、前よりずっと良くなったわ!」

こうして、私たちの部屋はおばあさまのおかげでさらに快適になった。

いや、それにしても、「気が利く」とかを通り越してる方だ。。。

たぶん彼女はホスピタリティの化身・・・

馬鹿の一つ覚えのように「Vielen Dank!」を繰り返す我々を残して、

「また何か困ったことがあったらいってね」

と、おばあさまはかっこいいヒーローのように、爽やかに去っていった。

実は彼女、我々のドイツ滞在において、実にさまざまなイベントへ導いてくれるキーパーソンの1人となるのだが、今は知る由もない。

そして夕方、家主さんはしっかりサインも済ませた書類を私たちに渡してくれた。

「今この家にはプリンターがないんだけど、今後プリンターがあったほうがいろいろ都合がいいよね?今度買うよ!」

え、いや!そんな!

「いいよいいよ、どうせうちでも使うからね!」

なんと。。。

これは遺伝だ。

おばあさまから受け継がれたホスピタリティの遺伝に違いない。

このホスピタリティ溢れる親子に深く感謝しつつ、遺伝の神秘を感じる(?)無鉄砲姉妹だった。