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ニュルンベルクのゲルマン国立博物館は宝の山だから絶対行ってほしい②

ニュルンベルクのゲルマン国立博物館は宝の山だから絶対行ってほしい①はこちら。

(前回、前々回に引き続き、ニュルンベルクのゲルマン国立博物館の館内を自由に回った記録です!)

雰囲気ありすぎる廊下

さて!館内に入ってすぐ、めちゃくちゃかっこいい廊下があり、テンションが上がる2人。

写真だとちょっとわかりづらいが、なんだかやたら雰囲気のある場所になっている。

ここを歩いていく人を見ているだけでも、簡単に映画の世界に入り込んだ気分になれてしまう、不思議な廊下だ。

壁にかかってるのは教会などの古い彫刻のようなのだが、これがまたすごくいい雰囲気を出している。無鉄砲姉妹はこういう雰囲気が大好きだ。

そしてこのやたら雰囲気のある廊下を抜けていくと・・・

ゲームの世界のような空間!

突如として外の光が!!この雰囲気、今度はゲームの世界に迷い込んだようだ。

(イメージはファイナルファンタジーとかそういう世界っぽい!)

これまた、我々の大好物ですな。

見上げると――

天窓になっているのか・・・。

青空と石造の建物のコントラストはいつ見ても素晴らしい。

この空間には、彫刻や美しいレリーフのついた窓が展示されていた。

本来は街中にあったものなのだろう。

長い時の流れを感じさせる石の風合いが非常に美しい彫刻だ。

時間が止まっているような雰囲気で、非常に美しい。

さらに行くと、中庭に出られるドアを発見。

ドアを開けるとそこには・・・

癒しの中庭

なんて素敵な空間だろう!

とても静かで、心地のよい風が吹いており、めちゃくちゃ癒される・・・

入館して早々にこの中庭に来てしまったが、館内巡りに疲れたころにここに来ると、リフレッシュできそうだ。

さて。館内に戻ってすぐに見つけたこれ・・・なんでしょう?

『人体均衡論四書』発見!

アルブレヒト・デューラー『人体均衡論四書』

そう・・・これは、我らがアルブレヒト・デューラーの著した、北方ルネサンス最高の美術理論書と言われる『人体均衡論四書』Hierin sind begriffen vier Bücher von menschlicher Proportion)!

実はこれ、彼の偉大な功績の1つに数えられているものなのである。

デューラーを敬愛する我々にとって、その作品にしても、彼の人間像にしても、好きなところをあげればきりがない。

だが、彼がこうした美術理論書などをしっかり残していることは、とりわけ素晴らしい業績のひとつだと思っている。

当時の多くの画家は、その技術や美術理論を自分の弟子たちにしか教えなかった。それは自分たちの仕事を守るために仕方なかったのかもしれない。

だが、芸術の発展という視点で見たとき、せっかくの優れた技法や美術理論が独占されたり、秘密にされているのは非常にもったいないことだ。

そんななか、デューラーは自分が獲得した知識を美術理論書としてまとめあげ、人体表現において重要な美と数の理想的比例を明らかにした。

これにより、後世の人間を含む、より多くの人が優れた美術理論を学ぶことができるにしたのだ。

これは、彼の1500年の自画像にも見られた「ドイツ芸術界の救世主たらん」という強い使命感がなさせたことなのかもしれない。

芸術界全体の発展という視点から、彼の功績は偉大なのである。

さっそく『人体均衡論四書』があったのでテンションが上がってしまった無鉄砲姉妹だが、とにかく展示物が多いようなので、今日はとにかくざっと見て回ろうと駆け足で進む。

かっこいい船の模型も見つけた!昔から、こういうのを見るとどうしても写真を撮ってしまう。

そしていよいよ絵画コーナー!

と、いうことは・・・!

我々の目玉はデューラーの「二皇帝像」

おおーっ!さっそくあった!

私たちが本日一番見たかったものがこれだ。

これまたアルブレヒト・デューラー作の、カール大帝とジギスムント皇帝の「二皇帝像」!

これがとにかく最高なのだ。

まずなにより、フランク王にしてローマ帝国の後継者として800年に西ローマ帝国皇帝として戴冠した、かの有名なカール大帝像(左側)の素晴らしさだろう。

彼は中世以降のヨーロッパ王国の太祖として、「ヨーロッパの父」とも呼ばれている人物だが、デューラーはそのカール大帝をこれぞ皇帝!という威厳に満ちつつ、慈愛さえ感じられる非常に魅力的な人物として描いている。

個人的に、この表情がすごくいい。皇帝はこんな感じであってほしいという理想の皇帝像で、「皇帝」と聞くとすぐにこの絵を思い出すほど、とても気に入っている絵なのだ。

そしてもう1人がニュルンベルク生まれの神聖ローマ帝国皇帝ジギスムント像(右側)。彼によって、1423年以降、神聖ローマ帝国の「帝国宝物(レガリア)」がニュルンベルクで保管されることになる

この上の写真は「帝国宝物」の1つである、神聖ローマ帝国皇帝の冠(Die Reichskrone)のレプリカだ。見ていただいて分かる通り、カール大帝の頭に描かれている帝冠と同じだ。

皇帝の城であるカイザーブルクがあることはもちろん、1356年に皇帝カール4世(Karl IV.)が「金印勅書」で即位後第1回目の帝国議会をニュルンベルクで開催することを定めたこと、さらにはこの「帝国宝物(レガリア)」の保管の役割も加わったことで、神聖ローマ帝国の事実上の首都としての認識が対外的にもさらに強まったことだろう。

言わずと知れた「ヨーロッパの父」と、ニュルンベルク出身の神聖ローマ皇帝の像。この2つの皇帝像がここニュルンベルクで並んで見られる──。中世ヨーロッパ好きとしてはそれだけで胸熱なのだ。

あとこの「二皇帝像」、デザインもとても素敵じゃないだろうか。

外枠の金縁のなかには、美しい青地と金字のフラクトゥーア(亀の子文字)。

そのなかには皇帝の正装に身を包み、威厳に溢れて佇む皇帝像が黒の背景にはっきりと浮かび上がっているのだ。

古臭さが全くなく、デザイン性が高く、特別感が半端ない!超かっこいい!そのままトレーディングカード(激レア)としてほしい!!

(↑わかりづらい褒め言葉だが、個人的には最大の賛辞)

ちなみにこの絵画、裏からも見られるようになっており・・・

これまた私たちのツボを押さえている!

やっぱりこのままトレカ(激レア)にしてくれ・・・!!

興奮しすぎて訳が分からなくなる無鉄砲姉妹。

騒がないようには気を付けていたものの、興奮していることがばれたのか警備員さんにも少し笑われた気が・・・。

いずれにしても、これを見れただけで今日はもう大満足!なのだが、素晴らしい展示はまだまだ続くのだった。

《ニュルンベルクのゲルマン国立博物館は宝の山だから絶対行ってほしい③へ続きます!》

beide:
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